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井上染物店について

井上染物店の歴史

井上染物店の創業は江戸末期。初代、井上品兵衛が始めた藍染めにまでさかのぼります。二代目の文左衛門が井上染物店としての基礎をつくり、三代目豊松とともに、藍染めをもとに「武者のぼり」と「鯉のぼり」を取り入れ始めました。三代目豊松と四代目孫太郎の時代には、数十人の染め職人を抱えるまでの染物店になっていました。

この頃から井上染物店の武者のぼりを「甲州武者のぼり」呼ぶようになり、その染めの技は優秀な染め職人の先頭に立った五代目豊、時代の流れを感じさせない感性を持った六代目豊彦にまで伝承され、平成6年に「山梨県郷土伝統工芸品」の認定を受け、今も地域の皆さまに愛され続けています。

七代目 井上展弘

7代目当主 井上展弘(いのうえのぶひろ)は、大学卒業後、家業である染色の道に進みました。現在は店舗の横に工房を構え、先代たちが残した伝統の技術とものづくりに対する姿勢を大切にしながら、妻、母とともに本染めの商品を世に送りだしています。
青空の下でたなびく本染めの商品を見た方全員が笑顔になりますように。そんな想いで日々、本染め鯉のぼりや武者のぼりを染めつづけています。
1981年生まれ。山梨県南アルプス市出身。

井上染物店の染物

糊づくり ── のぼりの染めは「糊染め」といわれ、その糊づくりは作業工程の命です。上質の餅米の粉と米糖をていねいに練り、蒸し、また練り続けます。この糊こそが、輪郭線を強く白く書き上げ、立体感の際立った染め物を生み出す源となるのです。

布の精錬・下絵・糊置き ── 布の不純物を取り除く精錬と下絵写し作業に入ります。井上染物店には200年を超えてその礎を築いた下絵が多数残っています。下絵が終わると、糊置きにより輪郭線を描いていきます。輪郭線が決まると、そのまま数日間乾燥に入ります。

豆汁を塗る・染付・色止め ── 井上染物店の染物の特長は、豊かで鮮やかなその色付け。奈良墨に膠(にかわ)を加え、毛足の短い江戸刷毛で一気に染め上げます。個性的な「井上ぼかし」が生まれるのもこの時です。その後も膠と豆汁の力を借り、最後の仕上げを行います。

水洗い・干す ── 水洗いの工程は、昔は河原で行われました。現在は作業場の水槽で行い、ここで輪郭をしっかり止めていた糊が初めて流され、迫力のある白線に縁どられた伝統の絵柄が浮かび上がります。細かい目をくばらせて水洗いした布は、日向でよく乾燥させます。

仕上げから完成まで ── 鯉のぼりは鯉の形に裁断された布を左右の形がずれないように縫合し、一匹の鯉に仕上げます。武者のぼりは染め上げた後に布地の周囲を補強し、片側にチ(乳)を付け、下にきらびやかな飾りを付けて完成します。

店舗概要

  • 店名: 井上染物店
  • 代表: 七代目 井上 展弘(いのうえ のぶひろ)
  • 創業: 江戸末期
  • 所在地: 〒400-0404 山梨県南アルプス市古市場460
  • 電話: 055-282-1030
  • 営業時間: 9:00~17:00
  • 定休日: 水曜日・日曜日(2月~4月は水曜日のみ定休)
  • 事業内容: 染物(甲州武者のぼり、本染鯉のぼり、神社のぼり、寺のぼり、奉納幕、横断幕、袢天、社旗、校旗、宣伝のぼり、のれん、草木染・藍染小物、ポール、染物全般)

井上染物店

400-0404 山梨県南アルプス市古市場460
Tel: 055-282-1030
Mail: info@kousyu-koinobori.jp
営業時間: 9:00~17:00
定休日: 水曜日・日曜日(2月~4月は水曜日のみ定休)

鯉のぼり、武者のぼり、武者タペストリーなど、
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